どうも元銀行員のおいちゃんです。
資産運用を始める上で欠かすことが出来ない金融商品の基本的な知識について解説します。
今回は金融商品の中でもメジャーな商品である投資信託について解説していきます。
まず、この投資信託ですが投資性商品になります。
投資に馴染みが無い人が商品と聞くと違和感を感じるかもしれません。
商品と聞くと形あるものを思い描く人が多いからです。つまり有形商材をイメージする人が多いです。
しかし金融商品は形がない無形商材になるため、具体的なイメージを描ける人が少ないです。
今回はそういった初心者の方でも理解できるように、金融商品の一つである投資信託について分かりやすく解説していきます。
投資信託について
投資信託ですが、これは元々お金がない人でも投資出来るように作られた商品です。
今となっては株等に少額からも投資できるようになってきましたが、昔は株や不動産に投資できる人たちは富裕層に限られていました。
しかし、富裕層しか行うことが出来なかった資産運用を行えるようにしたのが投資信託です。
投資信託はお金がない皆でお金を出し合って一つのファンド(投資信託)にお金を集めその資金を元に株や債券、不動産へ投資しましょうという発想が始まりだといわれています。(所説あり)
さて、この投資信託ですがどういった仕組みになっているのか分かりやすく解説していきます。
投資信託は株や債券、不動産等の金融商品を一つにまとめたものです。
なにそれ?と思った方もいるかもしれません。
株や債券、不動産は元々独立した商品です。株は企業が資金調達の為に発行してますし、債券で有名なのは国が発行している国債です。不動産はアパートやマンション、土地等が該当します。
この独立している金融商品達を一つにまとめたものが投資信託(ファンド)になります。
何で複数の金融商品を一つにまとめる必要があるのかというと、これは複数の投資先に分散投資する狙いがあります。
分散投資とは、投資先を一つに絞ってしまうとリスクが大きくなってしまうので、複数の資産へ投資しリスクを分散させる投資方法です。
分散投資の例え話で「卵を一つのカゴに盛るな」という言葉がありますが、複数のカゴに卵を入れることで、一つのカゴが割れてしまっても他のカゴは生きてるので損失を押さえることが出来ますよってことです。
この分散される割合ですが、商品によって全く違います。
例えば日本株や外国株のみを投資対象とした投資信託や株、債券、不動産等へまんべんなく投資している投資信託もあります。
投資信託をもっと噛み砕いて説明すると、弁当に例えると分かりやすいかもしれません。
具材が株や債券、不動産等です。これを弁当箱に詰めると一つの弁当が完成します。
株や債券、不動産が詰まった弁当です。この弁当が投資信託に該当します。
この具材である株や債券の割合が変わることで、弁当の種類も変わってきます。
和風弁当や洋風弁当や和洋が混ざった弁当等様々な組み合わせが存在します。
投資信託も中身の具材が変われば種類も変わってきます。日本株が多くなれば日本株中心の投資信託になりますし、外国債券が多ければ外国債券中心の投資信託になります。
株や債券等の組み合わせのバランスが取れた投資信託も勿論あります。
弁当の具材が変われば弁当の種類も変わるように、投資信託の中身も変われば投資信託の種類も変わってきます。
お分かり頂けたでしょうか?
続いて、投資信託の運用される流れを確認していきます。
こんな感じになります。
出典:金融庁
これだけの会社が絡んでいます。
銀行がお客様へ投資信託を販売した場合、申込金が信託銀行へ渡ります。
信託銀行はそのお金の保管と管理を行います。
お金を管理している信託銀行へ投資の指示をするのが投資信託委託会社です。
信託銀行は投資信託委託会社の運用指示に従い、金融市場でお金を回します。
そこで発生した利益を銀行や証券会社を通してお客様へ還元します。
ざっくり言うとこんな感じです。
この運用は投資のプロがやってくれるので初心者にとっては安心出来ますね。
銀行や証券会社はあくまでも販売窓口に過ぎず、運用は他会社のプロ集団が行なっていることを理解しておきましょう。
さて、投資信託は運用するうえで絡む会社が多いのでその分手数料がかかります。
この手数料ですが、投資信託で運用を行う場合超重要なポイントになります。
というか、資産運用を行う上で手数料は必ずチェックが必要なポイントになります。
それでは続いて超重要な手数料について解説していきます。
投資信託の手数料
投資信託の手数料は以下の4つに分類されます。
- 購入手数料
- 信託報酬
- 信託財産留保額
- その他費用等
これを順に説明していきます。
購入手数料
これは投資信託を購入する際にかかる手数料です。
例えば、購入手数料が3%+税(8%)だった場合。
100万購入×3.24%=32,400円が販売手数料となる。
購入金額から手数料を引くと、、
1,000,000円ー32,400円=967,600円
つまり、マイナスから運用スタートになります。
銀行員時代、既に投資信託を持っている人でもマイナスからスタートすることについて知らない人が少なからず居ました。
この手数料は銀行や証券会社が貰う手数料になります。銀行や証券会社には投資信託等の販売額のノルマの他に販売手数料のノルマが存在します。
なので、この手数料目当てで高い手数料の商品を売ろうとする銀行員も中には居るのでこの手数料はしっかりとチェックしておきましょう。
この手数料は安ければ安いほどいいです。何ならノーロードという手数料無料の投資信託もあります。
同じ商品でも販売会社によって手数料の金額が違いますので、購入する際はいくつか比較してから購入するのも一つの手です。
信託報酬
信託報酬とは運用管理費用のことを言います。
これが投資信託の手数料の中でもかなり重要なポイントになります。
この信託報酬は銀行や証券会社、信託銀行、投資信託委託会社に支払われます。
運用している間にも上記企業にはコストが掛かっているので、その分の手数料になります。
販売手数料は一回の支払いで終わりますが信託報酬は保有している間、保有資産の年率分を負担することになります。
例えば信託報酬の年率が1%で投資信託のリターン(収益)が2%だったとします。
2%ー1%=1%
リターンが半分になりました。
つまり、リターンがマイナスの場合は更にマイナスになってしますということです。
ー2%+ー1%=-3%
この信託報酬はノーロードの投資信託(販売手数料無料の投資信託)でもしっかり取られます。
ノーロードの場合、販売手数料を銀行や証券会社は受け取れませんが、信託報酬で収益をあげているということを頭に入れておきましょう。
この信託報酬が高いが故に損をしている人が多数います。
なのでノーロードだからといって安心せず、どれくらいの割合かをしっかりとチェックすることが搾取されずに運用する大事なポイントになります。
信託財産留保額
続いて、信託財産留保額です。これは投資信託を解約する際に掛かる手数料です。
要は「解約手数料」ですね。
何故解約する際に手数料が掛かるのかというと、投資信託は皆からお金を集めて運用を行っています。
この皆で集めた資金の一部を解約した人に支払う訳ですが、その際に運用していた資産を売却するという手間が発生します。
そのコストを資産を保有している皆に払わせるのではなく、解約する貴方が負担してくださいね。というのうが信託財産留保額です。
この信託財産留保額はそこまで負担が大きい手数料ではありません。
その他費用
最後にその他費用に関してです。
これは運用報告書に実績と共に記載されているので気になる人は確認してみましょう。
掛かる費用としては主に監査費用等が挙げられます。
これも負担額としては少額となりますのでそこまで気に掛ける必要はないです。
手数料まとめ
- 販売手数料が掛かる場合マイナスから運用スタートとなる
- 実は販売手数料が無料の投資信託がある
- ノーロードだからといって安心するな
- 信託報酬が超重要
- 解約するときはペナルティとして解約手数料を支払う
- その他費用の負担がある
手数料に関してはこの辺りをしっかりと押さえておきましょう。
手数料の重要性に関しては理解して頂けたかと思います。
現在フィデューシャリーデューティー(顧客の利益を第一に考えること)が謳われるようになり、手数料開示についてうるさくなってきましたが、未だに手数料に関して誤魔化そうとする金融マンは存在します。
一番びっくりしたのがこの手数料の仕組みすら分からず売っている人も居ました。
投資を行う際は言われるがままに行うのではなく、しっかりと自身で正しい投資の知識を身につけましょう。
基準価額について
続いては基準価額(きじゅんかがく)についてです。
この基準価額とは「投資信託の価格」です。
ガソリン等に価格があるように、投資信託にも価格があります。
その価格はガソリンと同じように日々変動します。
そして投資信託の取引単位として「口(くち)」が使われています。
基準価額は大体が1万口単位で表示されています。
この基準価額が変動するので、投資信託では利益を得ることが出来たり損をしてしまったりするのです。
単純に考えて投資信託を購入したときより価値が高くなったタイミングで売れば得をしますし、価値が低くなってしまったタイミングで売れば損をしてしまいます。
この価格の計算方法ですが、下記のような計算式になっています。
純資産額 ÷ 総口数 = 基準価額
総資産額=保有している金融資産の時価評価額+利息や配当金-信託報酬
基準価額の更新される日時ですが、基本的には毎日更新されています。
銀行員時代は朝支店に行くと本部から基準価額の一覧がFAXで届いていました。
それを朝一確認するという作業が日課になっていましたね。まあ今時FAXで送られてくるあたりが古臭いですけど。
より詳細な更新時間はその商品によって違います。
国内株式の投信であれば市場が閉まる15時以降に計算され夜には価格が出ているパターンもあれば、海外はこちらと市場がしまるタイミングが違うので計算される時間帯も全く違います。
初心者の方は大体朝に確認すれば問題ないと思います。まあそもそも私がおススメする投資方法は積立の長期投資なので、その場合この価格自体頻繁に気にする必要はないと思っています。
だって毎日価格のチェックなんかしてたら疲れちゃいますよね。
この積立の投資方法については下記ブログに簡単にではありますが解説しています。
参考までに。積立投資のメリットを元銀行員が解説!
投資信託の種類
投資信託の種類は投資している先で変わってきます。
・株式型(国内、海外)
・債券型(国内、海外)
・不動産(REIT呼ばれています)(国内、海外)
・コモディティ(金や原油などの日常生活に使う資源等に投資する)
名前の通りその先に投資しています。
株式型は株式中心の投資信託になりますし、債券型は債券中心の投資信託になります。
上記資産をバランスよく組み込んだ「バランス型ファンド」といわれるものがあります。バランス型は各資産がバランスよく組み合わされているファンドです。
上記4つの内1つだけのファンドで運用を行うと偏った運用になりがちです。
株式だけだとハイリスク。債券型のみだとローリスクだがリターンが少ない。
バランス型は株式、債券、不動産等をバランスよく組み合わせることで安定的な運用を目指しているファンドです。
バランス型ファンドは各資産への分散投資が行えるメリットもありますし、経済状況によって投資のプロがファンドの構成資産の割合を調整してくれるファンドもあります。
勿論これは自身の好みの問題もありますので、自分の思考にあった商品を選ぶことが大切です。
まとめ
ここまで投資信託について解説してきました。
これから投資信託を始めたい人は投資信託の最低限の知識は付けておきましょう。
特に手数料に関しては敏感になりましょう。
この手数料で運用の結果が全く変わってきますので。。
勿論投資先も大事なので、投資信託を始めていく中で自身の好きな投資先等を見つけていくのもいいかもしれません。
とりあえず始めて見ることが何事も大切ですので、気になった方は是非投資信託を始めてみましょう。
この投資信託ですが、何度も手数料の重要性を説いてきましたが、手数料が安い投資信託を買い付けするなら「ネット証券」がおススメです。
銀行窓口等とは違いコストが抑えられるので、銀行などより手数料が安い場合が多いです。そして商品数も圧倒的に多いです。
特にこだわりがなければ、まずはネット証券にて少額投資で経験を積んでみるのがおススメです。
是非活用してみてください。
今回の記事が貴方の金融リテラシー向上に役立てなのなら幸いです。